2016年度 卒業制作 Student Works 2016

森閑と生長す To growth and the deafening silence

小嶋沙弥華 KOJIMA Sayaka

インスタレーション|結晶、金網
Installation art|Crystal, wire mesh
H2800 × W4800 × D6800mm

盆栽から植物の生命力に気付き、それらの持つ時間に興味を持ちました。苔という植物は長い年月を表す言葉としても知られている通り、とてもゆっくりと生長します。その時間は結晶が育つ時間と似ていると感じます。そして、その時間はとても静かだとわかり、タイトルの森閑という言葉に繫がっていきました。

Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Igarashi seminar

POTTERY

市森天颯 ICHIMORI Hayate

ファッションショー|メルトン
Fashion show|Melton
8点

花にとって花瓶が容器であるように、人にとって服は容器である。

今回は石膏や粘土のように、削られて形ができていく彫刻的なプロセスに注目した。
箱型から削られて、人の形へと近づいていくその過程をショーの演出として表現することでケープからコート、ジャンプスーツなど様々なアイテムを展開した。
一つ一つの服の提案というよりは、削られてできていく形が人を包むときのシルエットを魅せたかった。

Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: SANBONMATSU Jun
Amano seminar

流骨 Ryukotsu

宇戸佐耶香 UTO Sayaka

インスタレーション|流木、鉄、鍛造、溶接
Installation art|Driftwood, iron, forging, welding
H4000 × W3800 × D9000mm

海岸で、流木が骨に見えた。私の誤解が、この作品の第一歩になった。
4年間学んだ舞台美術は、観客の想像力を働かせることが重要であると思っている。この想像力で観客とコミュニケーションをとれることが私にとって演劇の最大の魅力であり、欠かすことが出来ない。
人体を具象的に造形するのではなく、骨に見えた流木たちを繋ぎ合わせることで、観客に不安定だが力強い人体を想像して欲しいと考えた。
その流木の流れるような曲線を躍動感につなげた。

Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Horio seminar

土地の色相環 Hue circle of land

柏木兼介 KASHIWAGI Kensuke

模型, プランニング|紙、布、木、鉄、モルタル
Model, planning|Paper, cloth, wood, iron, mortar
模型:H2000 × W1800 × D900mm
空間:H2700 × W4640 × D8200mm

人が手を加えることなく、自然に生えてくる「雑草」
雑草は土地々々の環境に対し、素直にそこに生え、季節に合わせて、身を染め、大地を染めている。
それら自然の産物から色を頂き、季節や土地の色味を味わい、そのひと時を閉じ込める。
その日その場でしか出ない色を集積し、土地の色相環を作っていきたいという気持ちから「場所と時間」を記憶する染工房を提案した。

自然と共生する
ではなく、
自然と共生していた
ことに気がつく。

「雑草」とは我々が勝手につけた名前である。

Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Katayama seminar

月/euphoria moon / euphoria

菅沼華佳 SUGANUMA Hanaka

ファッションショー|ベロア、ベルベット、ウール、シルク、サテン、チュール、合繊、ほか
Fashion show|Velours, velvet, wool, silk, satin, tulle, synthetic fabrics, other

衣服によって人を興奮させたり、様々な時代や土地を体験できる。夢を与えてくれる。
しかし今は2017年だが、日本のファッションはある時から止まっているように感じる。新しい美はどこにあるのか?
美しさを保ちつつ常に変化し続け、何よりも明るく輝いて私達を導く「月」は私の憧れだった。
興奮しながら憧れを描きながら愛を込めてこの手で作ったらそれは衣服を超えて、誰かの心を豊かにできるアートになるかもしれない。

Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Ryan seminar

キッチンにて、サファイアに告ぐ Tell the sapphires in the kitchen

戸口誉 TOGUCHI Homare

ミクストメディア、 インスタレーション、 パフォーマンス|タイル、水、花、魚
Mixed media, installation art, performance show|Tile, water, flower, fish
H2700 × W4500 × D8500mm

朝の太陽のこと
人の正しさのこと
私の背骨のこと
眠るいのちのこと
めぐる水のこと

おもいだせない
食べる何か
卑しい浄化

Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Suzuki seminar

outer suburbia

本多悠悟・矢口由奈 HONDA Yugo, YAGUCHI Yuina

キネティックインスタレーション|鉄、木材、モーター、ほか
Kinetic art|Iron, wood, motor, other
H4000 × W9400 × D9400mm

郊外のまた外の世界、きっとどこかにこんな世界があるかもしれない。

Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Kotake seminar

白日に告げる confession

松下千尋 MATSUSHITA Chihiro

インスタレーション|トイレットペーパー
Installation art|Toilet paper
H2400 × W9000 × D6000mm

ずっと自分の胸の内に閉じ込めてきた感情を吐き出すことにした。
自分の胸の内を他者に明かすことは私にとっては最も怖いことだけれど、今もう抑えきれなくなってしまった。

とりとめもなく溢れ出る感情を“編む”という動作を通し吐き出し続けた。

そうして吐き出し続けた感情の集積は私の身体よりもはるかに大きくなり、いつの間にか私の姿を隠してしまった。

Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Photo: SANBONMATSU Jun
Koizumi seminar

body

若田勇輔 WAKATA Yusuke

インスタレーション|ポリエステルフィルム
Installation art|Polyester film
H2000 × W11000 × D6500mm

私たちは、自分の“身体”と、その周囲に存在する“物”、そしてそれらを取り巻く“空間”というように、身の回りにある様々な要素を別個のものとして捉えている。しかし、先住民族が自然の中で葉っぱの衣服を着るように、人・物・空間、本来それらは分け隔てられるものではなく全て一体である。

Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Koizumi seminar