2019年度 卒業制作 Student Works 2019

ある光 Ⅱ CERTAIN RAY Ⅱ

伊藤誠一朗 ITO Seiichiro

パフォーマンス|石膏、銀箔、タトゥーシール、エナメル、スモーク、プロジェクタ、ほか
Performance art | Plaster, silver leaf, temporary tattoo, enamel, fog machine, projector, other
12分03秒、インスタレーション可変

閉ざされた回路の先にある完璧な身体
濃い倦怠
野蛮なエレガンス
海女たちと青年
/
親密な関係でしかなされない秘密の共有とその記憶の装い
確かに君は僕の前に存在していた
うつむいたままに
/
問えば失われてしまうその意味は
欲求に丁寧に、荒々しく、かたちをつける
かたちにならないなにかを信じてみたい
/
全部光のいたずらだよ、そう言って君はまた目を閉じた

Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Ryan seminar

ほころびを溶かす Hokorobi wo tokasu

井門琴音/坂本彩音 IMON Kotone / SAKAMOTO Ayane

演劇|木、鉄、アクリル
Play | Wood, iron, acrylic
H4800 × W4800 × D2800mm

大切だった、ゆっくりとした時間を思い出す。
ランプの光、朝日、パンの焼ける音、花に水をあげて滴が太陽を反射した光、おじいちゃんの目の色の青、アイスティーの鼈甲色、駅の光、泡の虹色、おばあちゃんの後ろ姿、17時半のチャイム、夕焼けのオレンジ
月日が作り上げた時間。そこにあり続ける気配。たとえなくなってしまっても思い出は消えない。空間に流れる時間に記憶が染みついて忘れることはない。

Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Kotake seminar

anitya impalpably

小笠原華那 OGASAWARA Kana

インスタレーション|ステンレス、ピアノ線、紙
Installation art | Stainless, piano wire, paper
サイズ可変(H900~3000mm/直径300~600mm)

日本の美意識の中には無常観が根付いている様に思う。それは散りゆく桜や、流れ落ちる滝の水を見て、多くの人が美しいと感じる感覚のことである。
無常、とは あらゆるものは、その姿のままで存在し続けるという事は無いが、時間の流れの中で少しづつ改変しながら連鎖し、存在し続けるということである。
この作品たちは、変化の感じ取りにくい場所に居ながらも、風というものを通して自然の中の流れを感じ、日本的な美意識を見つめなおす為のものだ。羽の高さ、位置、そして時間が変化すれば、これらは変化を繰り返す。風が無くて動かない時も、雨に打たれる時も、これらは状況を如実に表し、私たちにanitya/無常観を思い出させる。

Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Igarashi seminar

前川製陶 賢山窯 Maekawa factory

木村光佑 KIMURA Kosuke

展示表現|壺、甕、急須、茶室(木材ほか)
Exhibition | Jar, urn, teapot, tea room (wood, other)
H2500 × W20000 × D10000mm

―表現する空間―
『前川製陶 賢山窯』
前川 賢吾(壺・甕職人)
前川 淳蔵(急須職人)
要素として、
・壺、甕の展示
・急須の展示
・制作背景の写真
・工場の再現
・茶室

Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Koizumi seminar

35°54’16.8N 138°14’33.1”E

齋藤茉里耶 SAITO Mariya

模型|スチレンボード、木材、金属、アクリル
Model | Styrene board, wood, metal, acrylic
H10000 × W1800 × D1800mm

35°54’16.8N 138°14’33.1”E
この作品は、私のかけがえのない記憶から生まれた空間である。現在の学説によれば、記憶というものは変化すると言われている。記憶が曖昧になる訳は、過去の出来事を思い出そうとする度に、脳のネットワークが引き出した情報をその都度書き換えてしまうことにより起こる。遠い過去の記憶も自分の要素で再構築されるだろうし、今、ごく少し前のことでも自身の概念が勝手に記憶を作り替えているということだ。主観である記憶は、誰の記憶であっても曖昧で混乱に満ちているのだろう。しかし、そんな歪な形をした記憶こそが、かけがえのない空間なのではないだろうか。幼い頃は届かなかった扉、怪獣のように見えた生き物達、海のように広いお風呂、窓を開けて見えた景色、どこまでも続いていると思っていたおばあちゃんの花畑、そして、大人になって当たり前ではなくなってしまった、本物の夜空。全て間違いで、全て本当の私たちの記憶は、儚くて美しい。私は、200枚の真実を曖昧な記憶でトレースし、空間に落とし込んだ。此処にある確かなものは、経緯度の数値だけだ。

Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Katayama seminar

ZIG

清水琳名 SHIMIZU Rinna

ミクストメディア|木材、陶、革、金属、樹脂ほか
Mixed media | Wood, ceramic, leather, metal, plastic, other
H1875 × W1475 × D3395mm

取り留めのない発想と空間の拡張、それらを集約する媒体。

Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Photo: INAGUCHI Syunta
Koizumi seminar

山阿図書館 sana library

杉村かれん SUGIMURA Karen

模型材料
Model material
H1200 × W1400 × D5500mm

小説を読んだときの、あの世界観に引き込まれて、どんどん没入していく感覚が好きです。
また読んだ後に、あのセリフはどういう真意があったのだろうとか、あの表現は本当に素敵だったなとか、ぼうっとしながらその小説の余韻に浸るのが好きです。

小説を読むというのは、ただ文字を追って情報を得るだけではありません。文章の奥には、その文章よりもはるかに広い世界が広がっていて、そこを感じるのが楽しいのです。

私はこの小説を読むという行為だけに向き合った最高の空間の一つの正解を、ここに打ち出そうと思います。
ただ、読むだけではない。小説の持つ全てを、考え、感じ、その世界にすっかり身をまかせる事のできる場所。

その答えとして、私が今回作り上げたのが、今回の作品です。

Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Katayama seminar

サイドキャラクター Side character

髙橋桜 TAKAHASHI Sakura

コマ撮りアニメーション|木材、スチレンボード、石粉粘土、ワイヤー、ほか
Stop motion animation | Wood, styrene board, stone powder clay, wire, other
ラフ画|H210 × W297mm ×20枚
美術セット|H1220 × W600 × D30mm ×2点
映像|2分45秒

童謡「パフ 魔法の竜」をモチーフに、制作したストップモーションアニメです。
美術セットやパペットは全て、素材を一から形にしていき、既製品を使わないことにこだわりました。

Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Photo: OTSUKA Keita
Ikeda seminar